堕天使のデトックスノート

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エホバの証人の輸血拒否の教理への反論④「双胎間輸血症候群」

 

学生時代、ある講師の輸血に関する授業の中で、エホバの証人のことが話題にのぼりました。
そしてこう言いました。
「ある宗教の人たちは輸血を拒否します。しかし輸血しないとどうなるかを説明した上で、輸血を勧めると9割の人は受け入れます」

!???

驚愕の事実です。
すべてがエホバの証人のことを言っているとは限りませんし、話が誇張されているかもしれません。
しかし説得されて輸血を受け入れる人がエホバの証人の中にもいるのだという話は驚きでした。
現役のエホバの証人でも、輸血拒否の狂気に気づいている人が多くいるかもしれないのですね。
私が現役のときは輸血拒否の正当性についてなんの疑問も持っていませんでした。なんと愚かだったのか、自分が恥ずかしいですね。

 

前置きが長くなりました。

さて、エホバの証人が全血や血液の主要成分を拒否するのは周知の事実です。
またエホバの証人は血液分画に関しては受け入れます。
以前の記事でも触れましたように、エホバの証人が血液分画を受け入れる根拠として挙げているのは
① 母体と胎児の間で免疫グロブリンがやりとりされている
② 胎児のビリルビンが母体へ移行して母体から排泄されている
の2点です。

つまりエホバの証人が特定の血液成分を受け入れる上でのポイントは ① 別々の人間の間で ② 血液の成分がやりとりされているという点に集約されるでしょう。

この2つの条件が満たされれば、エホバの証人は血液の成分を受け入れるということになります。

では

血液そのものが別々の人間の間でやり取りされているということをご存知でしたか?

恥ずかしながら私は今までまったく知りませんでした。


とある授業でこの点が取り上げられたとき、イスとお尻の間に空間ができたんじゃないかと思うくらい飛び上がってビックリしました!

周産期(妊娠から分娩・産褥までの期間)の異常に関する授業でのことです。タイトルにある「双胎間輸血症候群」について勉強しました。

「双胎」とはいわゆる双子のことです。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるとき、赤ちゃんはお母さんの胎盤を通して酸素や栄養をもらいます。
双子の場合は胎盤が1個の場合と2個の場合があります。胎盤が1個の場合、二人の赤ちゃんはそれぞれに臍帯(へその緒)を持ちますが胎盤は共有することになります。
このとき胎盤の中に吻合部(接続部)が存在し、二人の赤ちゃんの間で血液がやりとりされます。
この双胎間輸血のバランスが悪くなると一方の赤ちゃんに血液が多く、もう一方のあかちゃんの血液が少なくなり、下手をするとあかちゃんが死んでしまいます。
これを「双胎間輸血症候群(TTTS)」と言います。

 
さてさて

エホバの証人が血液成分を受け入れる上での2つの条件を当てはめて考えればどうなるでしょう?
双子の赤ちゃんは別々の人間です。その人間同士で全血がやりとりされている。

エホバの証人が全血を受け入れる理由の出来上がり!というわけです。

統治体のおじさま方、いかがでしょうか?
あなた方の輸血拒否に関する医学的な主張は矛盾だらけです。今すぐにでも輸血拒否の教理の誤りを認め、それを取り下げて、多くの人の命を危険にさらすことをやめていただきたい。


とはいえエホバの証人は使徒の聖句をとりあげて「血を避けるように」という命令に従う必要があると言うでしょう。

この聖句を検証するブログはたくさんあります。今後はこの聖句の真意を自分なりに分析していきたいと思います。